

第五十三話 歳神様をお迎えする 松飾りの飾り方
歳神様を迎える準備についてです。 まず門または玄関の左右に門松を飾ります。 門松は「神様のお越しを松(待つ)」 という意味もあり、感謝の気持ちで 歳神様をお迎えするためのものです。 門松は「神様の依(よ)り代」や「安息所」 と言われることもあります。 しかしそれでは歳神様は家の外。 門のところや玄関の前までです。 今年こそ良い年にと願いながら、 福の神様を家の中には 招き入れないことになります。 そのくせ、二月に 「福は内!オニは~外!」 などと言ったら凄く失礼ですね。 おせち料理も本来は、 歳神様に捧げるために 作られたといわれていますが、 外で召し上がって頂くのは おかしいのです。 正式な門松を用意するならば 十一月中に注文する必要がありますが、 簡易なものであれば スーパーマーケットやホームセンターの お正月用品売り場で手に入ります。 ただし、町内会などで配られる「賀正」 と書かれた紙をドアに貼っておしまい、 というのはやめましょう。 集合住宅でも玄関ドアの左右に 簡易な松飾りをつけることはできます。 この場合はガムテープなどで 貼り付ける


第五十二話 お正月の「一夜飾り」はなぜダメか その2
「一夜飾りがなぜダメか」
その理由は、
「新しい年の歳神様が大晦日の早朝に
来られるからです」といいました。
ではなぜ大晦日なのでしょうか。
なぜ元旦ではないのでしょうか。
それは大晦日の一日で、
新旧の歳神様同士の引き継ぎが
行われるからです。
「えっ、何のこと?」 「神様の引き継ぎ?」
と思われるかもしれませんね。
年は新しくなり、一年のくぎりですが、
私達の生活は引き続いているからです。 たとえば来年の三月に子供が生まれる、
子供の受験が来年の二月にある、
引き受けた役員の任期が三月末までなど、
みな新しい年に引き継がれることですね。
だから(旧年と新年の)歳神様同士で、
こんな引き継ぎがなされます。
結婚や出産、受験についてなら、
「年頃の娘さんがいるので、
良縁を得られるように
導いてあげてください」
「妊娠○か月の人がいます。
おばあちゃんがうるさく、
家庭内が少しぎすぎすしています。
安心してお腹の赤ちゃんも育つように、
家庭内が穏やかに過ごせるよう


第五十一話 お正月の「一夜飾り」はなぜダメか その1
大晦日に門松やしめ縄を飾る 「一夜飾り」はよくないと 昔からいわれています。 その理由は 「お正月の神様をお迎えするのに、 たった一夜では誠意にかける」とか 「一夜で急いで準備を行う 葬儀を連想させる」など、 いろいろな説があります。
さらに十二月三十日は 「旧暦では大晦日とされるために、 一夜飾りと同じ意味になる」、 二十九日は「苦に通ずる」とも。 やはり新しい年を迎える時に「縁起が悪い」
ことはしたくありませんよね。
それでは一体いつ飾ればよいのでしょうか。 私は二十八日までか、遅くとも三十日に
飾ることをおすすめしています。
これには新しい年の歳神様が 来られる日にちが関係しています。 歳神様は毎年交代しますが、 新しい年の歳神様は 三十一日の早朝にいらっしゃるからです。 その時に玄関、あるいは門に、 松飾りがないと「この家の者は 私を迎える意思がないのだな」と 中へは入らず、お帰りになってしまうといわれています。 三十一日の昼、あるいは夜に飾っても間に合わないのです。
歳神様はその年の福の神様ともいわれます。


第五十話 厄年は、人生の大事な役目をもらう「役年」
厄年というと、一般には
「災厄の年」だという考えが
浸透しています。
だから災厄が降りかからないように
「厄祓いをしてもらう」
と思われています。
しかし本当の“やく年”は、
人生において大事な役目を授かる年。
だから「役年」なのです。
神社でお祓いを受けるのも、
災厄を祓うためではなく、
「役目を頂く前に、
身心を清めるため」です。
やく年には、「前厄」「本厄」「後厄」
とあります。
出来れば三年とも(男性四十二歳、
女性三十三歳の大役の時には、特に)
お祓いを受ける方がよいでしょう。 その時には、やく祓いの祈願を
神社に申し込む前に、
神様にあいさつをして
「役年としての祓いを受けさせて下さい」
とお願いして下さい。
残念ながらほとんどの神主さんは
「厄年の厄祓い」と思って
おられるからです。
「やく年は、人生における
新たな役目を授かる年」ということは、
今までの人生の延長ではないということ。
より一段上に登るということです。
そこに階段のような段差があると
思って


第四十九話 神棚には、どの神様を祀ったらいいか
神棚にお祀りする神様(お札)は、
次のように絞った方がよいです。 三社の場合は基本的に、
中心に天照大御神様
右側に、産土の神様です。 一社の場合は、前に天照大御神様
後ろに産土の神様のお札を置きます。 このお祀りの仕方なら、神様の序列の問題は起こりません。 そして家の近くの産土神社から受けるお札は
たいていこの二つです。 左はよほど縁のある神様で無い限り
無理にお札を入れずに、あけておいて下さい。 家にお祀りした方がよいほど縁のある神様とは・・
これは、別の機会にお知らせします。 #神棚の祀り方 #全記事一覧


第四十八話 神様は、たくさんお祀りする方が、ご利益がありますか?
神様のことに熱心な人ほど、
神棚の上にはたくさんのお札がある。
そんな傾向があるようです。
実は、私の祖父もそうでした。
大きな神棚の上には、
何枚もの神様のお札と共に、
破魔矢、だるまなどが
所狭しと並べられていたそうです。 神様がたくさんいれば、
よりご利益も大きく
たくさんの神様に守ってもらえる
と思うでしょうか。
でも、これはあまりオススメ出来ません。
自分の家や会社の神棚でまつる神様は、
数を増やすよりも、厳選した方が
よいのです。
なぜかというと、
神様の世界には序列があって、
その厳しさは、人の世界の
序列の比ではないからです。
神様のお札の順序は、
中心、右(向かって)、左の順番です。
もしこれより数が多いときには、
その外側に右、左です。 たくさんのお札を並べるほど、 神様の序列をまちがえる可能性が
高くなります。
新入社員が社長より上座に座らされたら
どうでしょうか。
どちらも気まずいですね。
高い神様より、上座に(お札を)
置かれた神様は、遠慮し


第四十七話 古いお札は、どうしたらいいの?
暮れには、神棚のお札を入れ替えますが、
古いお札はどうしたらいいのですか?
こんなご質問を頂きました。
古いお札は、半紙(あるいは白い封筒) などで包んで神社に持っていきます。
年末になると神社の境内には、
「古札受け所」が作られます。
(一年中、設置してある所もあります。) ( 古札受ける所 ) 古札受け所の前に賽銭箱があります。
五百円~千円位(目安です)入れて
「今までありがとうございました」
とお礼を言いながら、お札を置いて下さい。
そこにはお札だけでなく
お守りなどの神社から受けてきたものも
入れられます。
別の神社のお守りでも大丈夫です。
ただしお焚き上げ出来るもの。
プラスチックや陶器のものなどは、
入れられません。
神社で求めたお守りなどは、
「勝手に捨てるのも失礼だし、
でもどうしたらいいの」
と思っている間に
いつの間にか、たまってしまいがち。
引き出しを片付けると、案外出て来ます。
十二月はそうしたものも、
お礼と共に神社にお返しするとよいです。
神主さん


第四十六話 新しい年の準備、しめ縄の選び方
今日は、しめ縄の選び方です。 年末になって出店やスーパーなどで、松飾りやしめ縄が売り出されます。
ただ・・これらのほとんどは外国製。
国産のしめ縄は、年末になると余り出回っていません。 しめ縄で一番おすすめなのは、
(1)国産で、中まで青わらで作られている物。 (2)次に芯まで藁で出来ているけれど、青わらは表面だけのもの。
国産と外国産があります。 (3)そして外国産の青わらで中がわらに見せかけたストローのようなもの、あるいはプラスチックの芯。これが実は一番多いです。
私もそれを知らずに年末に何件もの出店、花屋さん、スーパー等を探し回ったことがあります。 年末はそれでなくても慌ただしいので、 今では十一月中に、しめ縄の専門店に「国産、中まで青わらで」と指定して注文しています。
年末に探すと、(1)を探すのはむずかしいかもしれません。(ほとんど無理です) でも国産でしたらネットで探すか、お近くのトビさんなどで、しめ縄や門松を作っているところがあったら、ご相談してみて下さい。
お店で買う場合は、出来るだけ芯までわらで出来ている物を