第二十一話 結納は、必要ですか(質問に答えて)
秋に、結婚を控えている方から、「結納は、必要でしょうか」というご質問を頂きました。
はい。必要です。結婚の打ち合わせの中には、「結納をするかどうか」ということも入っているそうですが、「結納と結婚は、二つ揃って意味がある」からです。
詳しくは、「心を添えてこそ美しい 日本のしきたり」の本を読んで頂きたいのですが、結納とは「この人と、一生添い遂げます」という「結び納め=結納」を意味します。それを神様に報告することによって、結婚式の時に「三十八の鍵」を受け取ることが出来ます。それは結婚生活を円滑にするための、神様のからの大切な贈り物です。
その鍵は、オーダーメイドです。恋人としての二人から、夫として、妻として過ごせるための鍵や、子供が生まれたときに父として、母としての魂の鍵、互いの相性を整える鍵や、お二人の運勢を調整する鍵などもあります。
それを結婚式の当日になって「私達は、結婚しました」「鍵を下さい」といきなり言われても、その鍵はもらえません。夫婦は、二つと同じ組み合わせはありません。だから結納での報告を受けて、神様が特別に作って
第二十話 お中元の季節に寄せて 真心を送るということ
お中元や、お歳暮の時に一番困るのは、相手の好みが分からないときです。折角なので、予算の範囲で、相手の方が喜んで下さる品をお送りしたいと思って、ずいぶん頭を悩ませたりしましたが、あるときに考えが変わりました。
こちらが相手の方のことを心底思って、お送りすれば、それを相手の方は、受け取って下さるのではないかと。
それは、自分自身の体験からです。実は、私達家族は、肉類を一切食べません。
でもお中元の時に、『高級和牛』が送られてくることもありますし、『こだわりのハム』を送って頂く時もあります。
残念ながら、食べられないので、いつもお世話になっている方や、お手伝いをして下さる方に「よろしかったら・・」と差し上げました。すると「えっ?こんなに高級な物を頂いていいんですか」と驚くほど喜ばれ、ハムなどは、「息子のお弁当に、本当に重宝しました。」と満面の笑顔で喜んで頂けるのです。
それを見て、「自分達は食べないから気がつかなかったけれど、こんなに喜んで頂ける人がいるのだ」と正直驚きました。
そして送ってくれた人は、さぞかしこちらが喜ぶと思っ
第十九話 相手の心を満たす、ビールの注ぎかたは
歴史あるビアホールなどには、ビール注ぎの名人がいたりして、その人が注ぐと、泡が細かくぴったりと覆って、最後まで美味しく飲めるのだそうです。
私達は、そこまで行かなくても、ビールなどを注ぐときのちょっとした心遣いで、相手との距離をぐっと縮めることが出来ます。
だからこんなマナー違反は、しないでおきましょう。
・何も言わないで、ドボドボと注いでしまう。
・相手のコップからあふれても気付かないで、相手の手まで汚してしまう。
互いのグラスに注ぐのは、相手に対する思いやり。そして言葉を変えれば、「それを通じてあなたの心を満たしたい」ということですね。だからその思いを添えましょう。
「さぁ、どうぞ」と、暖かい言葉と心を添えて注ぐ。親しければ「お疲れ様!」初めてならば「どうぞよろしく」と言ってもいいですね。そして「いゃ、飲めないので」という人には、「何がいいですか」「何がお好きですか」と相手の心を満たせるものを聞きます。
飲めない理由は、本当に飲めない人と、体調を気遣っての人や、お車で来ている人などいろいろです。でも「どこか、お悪いの
第十八話 法事の時のおもてなし 心の添え方 その2
自宅での法事の時には、親戚の方に振る舞うよそ行きのご馳走の他に、故人のお好きな料理、たとえばひじきの煮物や白菜の漬け物などを、なにかひと品でもふた品でも加えて差し上げたら良いですね。そう思うと、あぁそうだったカキフライが好きだった、茶碗蒸しが好きだったなど、たくさんの共に暮らした思い出が蘇ってくるものです。
その上で、お茶やお酒、(お菓子)などを供えてあげたら、より真心がこもるでしょう。お食事の量は、一人前でなくても、半人前にするなど少しでよいと思います。
実際にしてみると、法事に集まってくれた人達も、故人に話しかけるように、「おじいちゃんお元気ですか、ぼくも就職が決まりました。頑張っています」など話しかけたりして、大変に暖かい心の交流がされます。その方の思い出を偲んだり思い出話に一段と花が咲いたりする事と思います。
まごころを込めた法事は、それを通じて、その方との思い出が新たなものとなります。年を経るにつれ、思い出は段々褪せてくるものですが、生き生きとその人との記憶が蘇ったり、感謝がこみ上げたりします。
生きている間は、「
第十七話 法事の時のおもてなし 心の添え方
親戚の人とのおつきあいも、遠方に住んでいるとなかなか会う機会もなく、法事の時や、告別式等にだけ顔を合わせることになります。
だからというわけではないでしょうが、法事に参加してくれた親戚の人達にだす食事や、持ち帰りのお土産?を何にしようかと、気を使います。またお寺さんにも、お茶を出したり、お布施などの用意をして万全を期します。
でも外での会食の場合、一番おもてなしして差し上げなければならない方には、何もしていないのです。
「えっ?」
と思われるかも知れませんが、何回忌という法事の時の“主役”はだれでしょうか。その年回忌に供養して頂く人、つまり亡くなった人です。
ですから、その日の主役である故人にも、何かお供えをして、供養により心を添えたいものです。
この場合、たとえば、その方のためのお膳を用意して差し上げる、お持ち帰りしやすいように、お弁当のような形にして貰ってもよいと思います。そして法事が終って、家に帰ったときに、そのお弁当を、お仏壇などに供えてあげてもよいでしょう。(おさしみ等、生ものなどが多い時、そして暖か