
第三十二話 お墓参りの時の言葉掛け
前話のお彼岸のお話に対して、ご質問をいただきました。
T様より
大事なお話ありがとうございました。
僕には、親友で三人、既に先立った奴らがいます。彼らに言葉を届けるにはどうすればよいでしょうか。時間は経ちますが、何もしてやれなかったことを今でも後悔しています。どのような言葉を添えればよいでしょうか。 答え
お友達に対しては、お墓に詣でて差し上げた時
「今日は、お彼岸なのでお参りに来ました。何もしてあげられなくてごめん。しかし出会えたことに感謝している。本当にありがとう。」
と言葉をかけるのにとどめて、もしお酒が好きな方だったらそれを供えるのもよいかもしれません。(十分くらい供えて持ち帰り、お墓には残しません)
ただ「自分に出来ることはないか」は、禁句です。
友人としてあの世の方にして差し上げられるのは、ここまでだからです。それ以上の何回忌などの供養は、家族にしか出来ません。家族の方に相談して(家族がOKなら)出席することは出来るかもしれません。
でも友人の方は、自分を覚えていてくれた、自分との出会いに感謝してくれ

第三十一話 お彼岸が、なぜ大事なのか そして禁句とは
お彼岸は、年二回あります。春の彼岸と秋の彼岸。
共にお中日を挟んで約一週間です。
この時期にお墓参りに行く人が多いと思いますが、それにはどんな意味があるのでしょうか。
私達は、自分の父、母、祖父母くらいまでは、命日を知っていると思いますが、それ以前の方についてはどの位知っているでしょうか。曾祖父母、更に上の方達・・ほとんど知らないというのが本当のところでしょう。
ですが自分の先祖をたどれば、目を回しそうなくらい大変な数です。○○家先祖代々の霊位という位牌に家筋の先祖が本当に入るときには、一億以上の方が入るといわれるほどです。想像しにくいですね。
自分の家筋を辿っていけば、おそらく一年三百六十五日の全てにどなたか先祖で命日にあたる人がいるはずです。でも、その日がどなたの命日かわからないし、毎日法事をすることも出来ません。
お彼岸、お盆の時期が大事なのは、このこととも関係があります。 亡くなった方にとって、命日当日と、春、秋の彼岸、そしてお盆の時には格別の供養を受けられる時期といわれています。ですから顔も見たこともない大勢の先祖、命


第三十話 三・一・一 に思う
今日は、本当はしきたりブログを更新する日です。
三月なので、お彼岸のこと、お墓参りの作法などについてアップする予定でしたが、どうしても別の話題を出す事が出来ませんでした。
今日三月十一日は、東日本大震災があった日です。
あの日、私の住んでいる小田原も、(事務所が海岸沿いにありますので)津波警報が鳴りっぱなしでした。そしていつもなら十分とかからず通り抜けられる国道一号線が、大変な渋滞で三十分以上身動きできず車を捨てて逃げる人もいたほどでした。もしもこの時に大きな津波が来ていたら命はありませんでした。 だから今日、三月十一日は、他人事ではないと思っています。東北の方にとって失われた命、失われた家族、それは何年経ってもその時の悲しみは消えることはないでしょう。
しかし離れた土地に住んでいて、自分の家族や知人に被害がなかったとしても、今日は同じ日本人として心を正し、命に向き合う日であるべきではないかと思うのです。
あの四年前の東北大震災の時には、自分の家族や親戚、知人が東北にいなかったとしても、自分の家族が重大な危機に見舞われたような
第二十九話 雛祭りのご質問に答えて その2
Q.
「雛祭りが、赤い糸の縁を祈るお祭り
ということを知らずに、
孫にかわいい子供のお人形を
贈ってしまいました。
どうしたらいいでしょうか?
改めて、大人の人形を求めた方が
よいのでしょうか。」
A.
雛人形は、決して安い物ではありません。
求める前ならば、花嫁さんのような‥
年頃のお人形をとお伝え致しますが、
すでにもう求めてしまった後でしたら、
今ある雛人形を飾り、
その上で
たとえば床の間のあるご家庭でしたら、
雛人形の掛け軸などをかけて
祝ったら如何でしょうか。
床の間は、
お正月の時に歳神様をお迎えする
ところです。
お正月には、初日の出や鶴亀などの
おめでたい柄の掛け軸を飾ります。
また立春、立夏、立秋、立冬と、
四季の神様もそこにお迎えします。
そこに雛祭りの時期に、
雛の神様をお迎えする。
そんな気持ちで雛祭りの掛け軸をかけて、
その前に桃の花や白酒などを飾っては
いかがでしょうか。
この場合の掛け軸には、
子供の絵ではなく、
大人の雛が描かれてい