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第八十四話 伊勢神宮参拝の作法「踏まずの石」について

伊勢神宮には、「天」を意味する 踏まずの石と呼ばれる所があります。 正宮(しょうぐう)から 荒祭宮(あらまつりのみや)に 向かう階段の途中、それも真ん中に あります。 私は、そこの階段を通るときには 必ず右端を通り、間違っても うっかりがないようにしていますが、 ご案内した皆さんに 「これは踏まずの石といわれています。 今は、(色々な人が踏んで) 残念ながら形が変わってしまって いますが、 元は、『天』という字だそうです。 ですから踏まないで下さいね」 と話しているそばから、 知らない人は踏んづけて通っていきます。 話を聞いた直後の人は 「あぁ~っ」と声を上げますが、 知らない人は「一体何のこと?」 「変なヤツら」といった顔をして さっさと通っていくのですね。

(元は「天」という字でした。)

神社の側で、石を囲うなどの 踏まれないための工夫はしていないので、 これは単なる迷信なのでしょうか? しかし「天に向かって唾を吐く」 という言葉があるように、 (吐いた唾は、 自分にそのまま返ってきます) 「天」という字に見立てた石を 踏むことは抵抗がありませんか。 やはり踏まずの石は、 気をつけて踏まない。 足元であっても、 そこに神がいると聞いたら 人の側がそこは控える。 それが神様に対する心得の一つです。

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