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第十八話 法事の時のおもてなし 心の添え方 その2

自宅での法事の時には、親戚の方に振る舞うよそ行きのご馳走の他に、故人のお好きな料理、たとえばひじきの煮物や白菜の漬け物などを、なにかひと品でもふた品でも加えて差し上げたら良いですね。そう思うと、あぁそうだったカキフライが好きだった、茶碗蒸しが好きだったなど、たくさんの共に暮らした思い出が蘇ってくるものです。 その上で、お茶やお酒、(お菓子)などを供えてあげたら、より真心がこもるでしょう。お食事の量は、一人前でなくても、半人前にするなど少しでよいと思います。 実際にしてみると、法事に集まってくれた人達も、故人に話しかけるように、「おじいちゃんお元気ですか、ぼくも就職が決まりました。頑張っています」など話しかけたりして、大変に暖かい心の交流がされます。その方の思い出を偲んだり思い出話に一段と花が咲いたりする事と思います。 まごころを込めた法事は、それを通じて、その方との思い出が新たなものとなります。年を経るにつれ、思い出は段々褪せてくるものですが、生き生きとその人との記憶が蘇ったり、感謝がこみ上げたりします。 生きている間は、「あの、くそばばぁ」などと思っていた人も、「あぁ、おふくろには、心配ばかりかけて本当に申し訳なかった、ごめん・・そしてありがとう。」生きている間は、なかなか面と向かって言えなかったけれど、そんな気持ちが芽生えたりするかも知れません。 ところで神様にお供えしたお酒は、お神酒といって神様の福が入り、美味しくなりますが、仏様にお供えしたお酒や食事は、一般に味が抜けます。それは食べ物の中にある「霊(ひ)」を亡くなった方が頂くからと言われています。 ですからお供えした食べ物そのものは、目の前に形として残りますが、その中の食べ物に籠もっている力や、供えてくれた人のまごころといったものを、故人は頂き、それで力をつけて頂くのです。 「孝行したいときに、親はなし」という言葉がありますが、そんな事はありません。親孝行、先祖孝行は、大事な方があの世に旅立たれた後もさせて頂くことが出来ます。

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