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      ホーム > 対談 > 対談-石山社中 十世家元 石山裕雅様と対談 第4章

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      第4章 「土蜘蛛の精」のお話

      藤原美津子: 「土蜘蛛の精」は世界的に上演してもいいくらい、華やかな場面がありますね。投げる蜘蛛の巣は、すごい見せ場になります。

       

      石山裕雅様: 誰が見ても「どうやってやっているのだ?」と興味をそそられる演出だと思います。いわばマジック神楽なのです。ただ、私はそんなに好きではありません。

       

      先述の「幽顕分界」等の方が、覇権を争っているので、騙し合いや、色恋もあったりして、話が非常に深く、真理があって面白いのです。

       

      ただし、心理劇になればなるほど会話は多くなりますが、セリフではなく和製パントマイムの「手事(てごと)」をいろいろ使いますから、分かる人でないとつまらないかもしれません。

       

      藤原美津子:やはり、意味が分かる方が数段楽しいですから、解説が欲しいところですね。  「土蜘蛛の精」では、石山様が製作を依頼したという「土蜘蛛」の面(おもて)がとても印象に残っています。

      対談

      □ 鹿島神宮名誉宮司 上野貞文様対談

       

      □ 小杉造園株式会社代表取締役 社長小杉左岐様対談

       

      □ 株式会社サニーサイドアップ   創業者 高橋恵様

       

      □ 石山社中 十世家元

        石山裕雅様

       □石山裕雅様プロフィール

       

      第1章

      □伝統を引き継ぐということ

      □神楽の継承と観光

       

      第2章

      □「里神楽」は神事

      □神様を感じる瞬間

       

      第3章

      □「天の岩戸」のお話

      □「天の返し矢」のお話

      □「幽顕分界」のお話

       

      第4章

      □「土蜘蛛の精」のお話

       

      第5章 次世代へ繋いでいく

      □名人の見立て

      □次世代へ引き継ぐために 

       

      見せ場の蜘蛛の巣

      石山裕雅様: 通常、「土蜘蛛」で使われている面(おもて)は「しかみ」という、しかめっつらをしている顔なのですが、それですと神楽では物足りないと考えて、鬼のような様子にしたのです。能で「獅子口」という面(おもて)があるのですが、その中で私が良いと思ったものをベースにして、顎をもっとしゃくらせ、角を付け、新たな面(おもて)を作りました。

       

      角の生え方にもこだわっておりまして、よくある鬼の角の角度ですと敵を突けないと思いました。ですから、先端を下向きにして敵に向かう刃というかたちにしたのです。

       

      藤原美津子:すごく迫力がある面(おもて)ですね。遠目で見ても、怒りの形相がよく分かります。

       

      石山裕雅様: 「土蜘蛛」の話は、本来、土着の民を征伐したという理不尽な話です。「土蜘蛛」の方が先に仕掛けてきたから征伐したという脚色で、勧善懲悪(かんぜんちょうあく)で楽しめるようになっていますが、本来はむしろ可哀想な話なのです。

       

      歴史というものはあくまで勝者の歴史であり、勝者が正当化されています。ですから、この怒っている顔には、「何故、私たちを」という深い悲しみも潜んでいるのです。そういう思いも込めた造形です。

       

      石山様が製作を依頼した「土蜘蛛」の面(おもて)

      藤原美津子:これは、新しい時代を開いた面(おもて)ですね。

       

      石山裕雅様: 一方的に退治されたくないという「土蜘蛛」の主張が、蜘蛛の巣をまくという行為にもなっている。必死な抵抗をしているお話なのです。

       

      藤原美津子:その場面は舞台ではすごい見せ場です。やはり、面(おもて)の持つ役割というのはすごく大きいですね。

       

       石山裕雅様: 「人形は顔が命」というのと同じで、神楽も仮面劇ですから、面(おもて)が演出をすべて決めてしまいます。面(おもて)をつけないとその役にならないわけですから、御神体みたいなものですね。

       

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      バックナンバーはこちら

       < 第1章 伝統を引き継ぐ
       < 第2章 神楽は神事
       < 第3章 神話と里神楽
      第5章 次世代へ繋いでいく >