神社参拝の仕方
鳥居と参道とは
神社には、入り口に鳥居があります。鳥居は、神様のご神域に入ることを意味しますので、鳥居をくぐる時には一礼をし、これから神域に入るという気持ちでお通り下さい。
大きなお社では、いくつも鳥居があります。一の鳥居、二の鳥居、三の鳥居と進むほどに、そのお社の神様に近づいて行き、ご神域も深くなります。ですから鳥居ごとに手前で一礼して進み、帰りも同じよう鳥居の奥で一礼して戻ります。ちようど各お部屋に入る時に、障子の手前で挨拶をして入り、お部屋で挨拶をしてから障子を開けて退出するのと同じです。
参道は、神様に通ずる道です。日常の雑談や私語はやめて、神様の所にお伺いするのだというお気持ちで進んで下さい。
また、参道の中央は、神様がお通りになられる道ですから、中央の部分は、神事や祭事の時以外には、人一人分くらい真ん中を開けて、歩むようにして下さい。
神道入門
手水舎の使い方
神社に入ると、手水舎があります。手と口をすすいで、自分の身体と心を清めて神様の前に立つための大事な所です。
手をすすぐ時には、身体全体を清めるつもりですすぎ、口をすすぐ時には、心や魂を清めるつもりですすいで下さい。
まず、柄杓を右手に持ち、水を汲んで左手にかけて洗います。
次に柄杓を左手に持ち替えて右手を洗い、再び右手に持ち替えて、左手に水を受けて口をすすぎます。決して、柄杓を口に直接つけることは致しません。
一般には、さらに柄杓を立てて水を流し、柄杓を綺麗にすると言われていますが、濡らしたあとも綺麗な布で拭くのならともかく、ただ濡らすだけでしたら、省略してもよいでしょう。大切なことは、心構えとして、次に使う方のことを思ってすることと、これから神前に立たせて頂くのだということを忘れないようにして下さい。
お賽銭
お賽銭につきましては、神道一般では、神様への供物の一つとして解され、神社参拝の折りや神輿の渡御などにも献ずるものとされています。
そのため、皆さんも、百円なり、五百円なり、千円なり、一万円なりを賽銭箱に入れて、一年間の無事息災を祈願したり、交通安全や合格祈願、安産の祈願をはじめ会社経営の祈願等、あらゆる願い事をしておられると思います。
しかし、お賽銭の本来の意味は、ご自分の汚れや穢れを、そのお賽銭に託して祓うためのもので、神様にお願い事をするためのものではありません。
ですからお賽銭を入れるときには、ご自分の心の迷いや、怒りなどを吹っ切るつもりでして下さい。『明鏡止水』という言葉がありますが、自分の心が鏡のようになって、初めて神様に通ずる道が開けるのです。
かしわ手を打つ
お賽銭を入れた後に、二拝二拍手一拝を致します。(二回お辞儀をし、二回かしわ手を打ち、もう一回お辞儀をします。)神社によっては、四拍手などのところもありますが、二拝二拍手一拝が原則です。
神様に届くように、パーン、パーンと気合を込めてかしわ手を打ちます。軽くパンパンと打ったのでは、神様のお出ましは覚束ないことになります。
その後で、神様へのご挨拶や、お願い事を致します。
お玉串
お玉串の『玉』は、『魂』そのものであり、『串』の『上の口』は神様の魂を表し、『下の口』がご自分の魂を表します。それを真ん中の縦線でつないでおり、これをお回しすることによって、神様の魂がご自分の中に、ご自分の魂が神様の中にお入りになる、いわば神人合一の大切な儀式なのです。
通常、正式参拝の折りには、『玉串料』を支払い、神前において、紙垂(しで)や麻のついたお榊を受け取って行います。
お榊は、葉先が左になるようにして渡して下さいますから、左手の上にそのお榊を乗せ、右手は上から枝をつまむように致します。
お榊は、通常坐って頂きますが、結婚式の時のように立って頂くこともあります。いずれも、頂く時には、軽く会釈をし、押し戴くつもりでお受け取り下さい。
立ち上がった時にも、ご神殿に向かって軽く会釈をし、ご神前正面にお立ちになられたら、姿勢を正して一礼してからお榊を回します。
この場合には、お榊の葉先が左側に、右側が枝の部分になっていますから、その右手を時計の針と同じ方向で右に回し、右手が正面手前になるようにし、したがって自動的に左手が先の方の正面になります。時計の針で言えば、右手が六時、左手が十二時のところになります。
そこで、左手をそっと手前に引き、右手を葉先の方に持ちかえて、時計の針が回るのと同じ方向へ回し、葉先が手前に、枝のところが神様の方を向く形にして、案と呼びますが、台の上に置きます。
お榊は、正しく置いて下さい。このことによって、神様のお御霊をご自分の方へ、ご自分の御霊を神様の方へと、『神人合一』を意味します。
それによってその人の願いが神様に届き、神様のお力がその人の中に入るのです。
正式参拝
人と人との間では、相談料、祈願料と言うことになりますが、
神様に対しては、神様と人とが一体になる『神人合一』の大切な儀式になります。