第三十三話 お花見の作法 桜、さくら、サクラ
日本人は、桜をこよなく愛しますね。わずか一週間くらいで散ってしまう潔さが好まれるのだと言われますが、 満開の桜の華やかさ はらはらと舞い散る花吹雪 この短い期間に、サクラを愛でながらのお花見、日本人ならではの楽しみと言えますね。同じ桜を見ても、外国の方は日本人ほど感動しないのだとか。 『お花見の作法は?』とのご質問を頂きました。 一言で言えば、“サクラを愛でる心でお花見をすること”
花の精という言葉がありますが、「お花見」は、『桜の花の精との直会(なおらい)』といえます。 直会とは、神社での神事の最後に、神事に参加した人達がお神酒を頂きご神饌を食する儀式のことです。直会は、神と「直接、会う」と書き、その意も含まれます。 お花見の時には、(桜の)花の精に直接会い、そして会食をすること。共に飲み、共に食する相手は職場のお仲間であったり、親しい友人や家族だったりしますが、そこに集う人達が皆、桜の花を愛で、花の精と共に時を過ごすのです。 楽しく語り飲むのもお花見の醍醐味ですが、飲み過ぎて桜の枝を折ったり、食べた後の後始末をしないで帰るなど、桜の精を嘆かせるようなことはしないで下さいね。