第二十四話 お盆の言い伝え お盆の期間は、海に入ってはいけない?
お盆には、地方によって、七月盆、八月盆に分かれます。 七月お盆の方達から、色々な質問を頂きました。 八月のお盆でも役に立つと思いますのでご紹介します。 Q.お盆の時期は、昔から「お盆の時期は、水辺に近づくな」 「海に入ってはならない」と言われますが、何か理由がありますか。 お盆の時期は、地獄の釜の蓋が開くといわれ、 地獄に送られている人達が、たくさん出て来る時期です。 (心を添えてこそ美しい 日本のしきたりの)本にも書きましたが、 ちょうど時代劇などで牢屋が火事になった時に、三日など期限を切って、 囚人をお解き放ちにするのと似たような状態になります。 お盆の期間は、送り火の時までという期限があります。 ですからその間は、町に地獄から出て来た人(だけではありませんが)も、 たくさんいると思って下さい。 それだけ言われると「怖い」と言うことになりますが、先祖は顔を知らなくても、自分と血の繋がった方達。全てのご家庭で、その先祖の方達を迎え火でお迎えして供養出来れば、問題はありません。 しかし絶家と言って子孫が絶えてしまった家などは、どうでしょうか。 迎え入れてくれる子孫がいませんね。 また昔は、行き倒れ等で亡くなった方、どこの誰とも知られずに、葬られてしまった方もいらっしゃるでしょう。まして今は、迎え火を焚いて先祖を迎える家が、昔と比べて減っています。 つまり地獄の釜の蓋が開いて、地獄から出て来たとしても、それを迎え入れてくれる家がない人は、その間、外でさまようことになります。ですから誰かに縋りたいわけです。足が地につかない場所である、水場や海などには、そんな意味でも危険があります。 お盆の時期は、ちょうど海水浴シーズンではありますが、なるべくなら避けた方がよいでしょう。