第十五話 水無月の大祓 「茅の輪くぐり」とは
六月三十日は、水無月の大祓祭です。お正月から、六月までの、汚れ穢れを祓って頂く日です。 神社に行くと「茅の輪」というものが作られていて(全ての神社にではありません)その輪をくぐると、災厄や疫病などから免れると言われています。 茅の輪のくぐり方は、真ん中の輪を中心に、左右の柱を左回り、右回り、左回りと八の字に三回通って穢れを祓って頂くと伝えられています。神社で茅の輪が置いてあるところには、そばに絵入りでわかりやすく書かれていますので、それに習ってされたらよいでしょう。 ただ左回り、右回り・・とそのことばかりを意識していると、「自分の汚れ穢れを祓って頂きたい」という思いが抜けてしまいますので、注意して下さい。
これは、私達が伊勢神宮に早朝参拝したときに、撮った写真です。朝日の光りが日輪(にちりん)のようになって、参道に現れた場面。師(藤原大士)が「今なら、写るよ」とシャッターを押して撮影したものです。 おそらく昔の人の中には、日輪がこうした形で現れるのが見えた人がいたのでしょう。ですから、その日輪(お日様の輪)の中に、そのまま入る事によって、今までの汚れ穢れがすべて綺麗に清められると感じたのではないでしょうか。 ですから大祓に、茅の輪を作って、日輪に見立て、災厄を祓う願いを託したのではないかと思われます。 ですから茅の輪をくぐるときには、「お日様の輪の中に入らせて頂いて、全て綺麗にして頂きたい」という思いでくぐって下さい。 世の中の色々なトラブルは、その元をただせばほんの些細なことから始まっていることが多いものですね。出来るだけ小さな芽のうちに摘み取り、さらに半年毎の大祓の時に、その先に残すことがないように祓って頂き、さわやかな気持ちで七月を迎えて頂きたいと思います。