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第十一話 初宮参りの時の神様(その2)

『第十話 初宮参りの時の神様』の続きです。 きっと今住んでいる土地の産土の神様に、神様同士でご連絡をして下さるはずです。それはただ「この人は、住まいがあなたの管轄の所に移っているそうなので、今度はそちらで宜しく」とだけでなく、 「この子は、赤ちゃんの時に、こんな子でした。そして子供の頃には、すごく腕白でしたが、思いやりのある子でした。」 あるいは「子供の頃、すこし喘息があって、あるいは内蔵が弱くて?お母さんが心配をしていました。本人はすっかり忘れていますが、今もまだその根っこが残っていますので、どうぞよろしくお願い致します」 「この人は、ご両親が幼い時に離別され、女手一つで育てられました。反抗期には、時々逆らったりしていましたが、母親思いの子です。今は、お母さんと離れて暮らしているようですが、親子の絆がよく保たれるようによろしくお願い致します」 といった、私達の身体のことや、運勢的な特徴などもお伝え下さるかもしれません。 神様は、どんなに離れていても全てお見通し。でも神様の世界には、厳しい掟があります。それは「権限の範囲が明確で、権限を越えることは神様といえどしてはならない」というものです。 つまり産土の神様は、決められた範囲の土地に住んでいる人の事は、神様の世界で全ての窓口になって、お願いなどを受けてくれますが、その土地の範囲から離れた人のことをどうこうしてあげることは、出来ないのです。見えるけれど、してあげられない。幼い時にかわいがってくれた神様に取ってこんなに歯がゆいことはないかもしれません。 産土神様とは、「産」まれた所の「土」と書きます。大地は、人を育み、そして そしていつかこの世を旅立った後は「土」に還ります。「大地は、もしかしたら親よりも縁が深いかもしれない」と言われた方がいますが、母なる大地、そして私達の盤石の基盤をささえてくれるご存在、そう受け止めて、是非産土の神様とのご縁を大切にしたいものです。 人生には、晴れの日もあれば曇りの日も嵐の日もあります。でもご縁のある神様は、きっとその全てを見て、支えてくれているはずです。

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